することで見えた世界がある。
我々ヒューマンリソシアは人材派遣や人材紹介など顧客企業の「人材」に関するサポートを提供する、総合人材サービス会社です。関西で創業し昨年創業30周年を迎えましたが、以前は、 「足で稼いでなんぼ」という“商い”の感覚がより濃い社風でした。「社内でPC作業している暇があったら、お客様先へ行け。顧客企業の担当者や派遣スタッフと1秒でも長く話をしろ」とよく言われてましたね。
営業それぞれが「商売人」であるわけですから、人脈も含めて様々な情報が営業担当に属人化してしまうことが多かったですね。「お客様は自分のもの」という感覚があり、営業担当同士で情報も共有したがらない。お客様への思い入れが強ければ強いほど、その傾向があったかもしれません。
支店同士のライバル意識も強く、他の支店には負けたくないと競い合ってもいました。そのため他所の支店から協力要請があっても、どうしてもプライオリティが下がってしまうこともありました。たとえば、全国に拠点を持つお客様が、自分の担当エリア以外の地域でもスタッフさん探しているとわかっていても、なかなかスムーズに進まない、ということもありました。良い状況ではないとは思いつつも、自分も同じ営業担当なので他所の支店の営業担当の気持ちもわかる……非常に悩ましいところでした。
そのような中、当社ではさらなる成長のフェーズを目指し、数年前から 大手企業出身の方を顧問として招致するマスターズマネージャー制度を導入しました。私の部署には大手メーカーのOBの方々が来てくださり、営業支援いただくようになったのですが、彼らと一緒にクライアントとかかわる過程で、営業活動における「企業の本社としての機能」について多くの学びを得たのです。 営業担当と先方のご担当者という個対個の関係ではなく、本社が支社を束ね、企業対企業の関係で取引していくダイナミックなビジネスのあり方を学び、日頃感じていたモヤモヤした思いを、課題としてはっきりと捉えるようになりました。
そして、このように新たな営業体制を整備しているとき導入したのがSansanでした。Sansanを活用することで、例えば、本社で地方での案件を獲得した時、そのエリアの営業担当とお客様との間に既に接点があるか、すぐにわかるようになりました。それまで情報共有が難しかった営業担当同士、支店同士を、全国規模でつないでいくことができるようになったのです。
また、クライアント のご担当者が別のエリアに異動される場合、Sansan上でその情報を共有。異動初日に、「前の支店では担当の○○がお世話になりました」とご挨拶できるようになりました。このように関係性をシームレスに継続できるというのは我々のビジネスにとっては非常に重要なポイントなのですが、Sansanのおかげで無理なくできるようになりました。
Sansanによって、まだ自分が直接お会いしていなかったクライアントの方々ともつながりやすくなりました。自分以外の営業担当が接点を持っていれば、商談するときにお客様にSansanの画面を見せながら「御社の○○さんには弊社の××もお会いしたことがあるんですよ」と、話題にしているんですが、これにより弊社とのつながりを改めてご認識いただき、お客様との距離感も一気に近づくことができるようになりました。「それならこの人にも会ってみるといいよ」と新たなキーマンをご紹介いただくことも。我々としては、発注窓口である人事や調達部門だけではなく、営業部門や実際の派遣先部門まで幅広くお客様と接点をもつことで、現場のニーズを汲み取り、お客様企業にて活躍できる人材をダイレクトに提案できています。Sansanがビジネスチャンスを広げるきっかけになっていますね。
また、事業部ごとに縦割りの組織構造の企業様は、コンタクトを取るべき人が事業部ごとたくさんいます。コンタクトを取りたい部署があるときは、その部署の方と既に接している営業担当をSansan上で探して、支店を超えて協力を仰ぐこともできるようになりました。
私は、Sansanをチームの戦略や新人教育にも活用しています。それぞれが登録した名刺の一覧をもとに、担当しているエリアのお客様の母数やエリアの特性を分析。一人ひとりのパフォーマンスを最大化できるよう、アドバイスしています。
Sansanでは、訪問して名刺交換をした企業名やご担当者だけではなく、住所やビル名も確認できますから、同じビルに入っている別の企業情報を共有して効率よく営業できるように活用しています。また、他の営業担当が、かつて自分が担当していた業種業界のお客様にアプローチしていることがわかったときは、過去の成功事例や提案のヒントなどを伝えています。営業の初歩から、ナレッジの共有まで、Sansanは教育やマネジメントのツールにもなっていますね。
Sansanには、これまで営業担当一人ひとりの人脈が、会社の資産として蓄積されています。2012年から利用していますが、今となっては顧客と私たちのつながりを深める貴重なビジネス・プラットフォームになっています。
Sansanは新規事業のマーケティングにも役立っています。現在私が手がけているのは、RPAという自動化ツールを活用いただき、お客様の業務効率化を支援する事業です。弊社では「WinActor」というRPAツールをご提案し、業務の自動化を支援しています。RPAでは、例えば、メーラーを立ち上げ、スキャンした名刺情報を元にアドレス、お名前、お礼の文面をメールに入力し、提案資料を添付して送付する、といった一連の作業をシナリオとして登録し、自動化することも可能です。
新たなサービスをご紹介するため、Sansanの機能を活用して、イベントやセミナーなどのご案内をしていますが、いま話題になっているRPAということで、ご案内後即セミナーが満席になったり、お問合せを多くいただくなど、メールDMの効果を大きく実感しています。人材派遣事業では、お客様の窓口となる部署は人事系がほとんどですが、派遣スタッフを必要とする様々な部署の方との接点を持つ機会も多く、その名刺交換した情報がSansanに登録されていたおかげで、RPA事業に直接関わる「働き方改革」を担当する部署やIT部門、また経理部や事務センターなど管理部門の責任者の方々へも直接情報提供する事ができて助かっています。
新規事業にも関わらず、会社の財産である名刺情報をフル活用できているおかげで 滑り出しは順調です。今後もますます拡大していけるように、力を注いでいきます。
爽やかな見た目とお人柄でSansan社員にもファンの多い関様。長きに渡って、プレイヤーとマネージャー両方の観点からSansanを使い倒してくださっており、活用方法のアイデアは皆様の学びになる点も多いのではないでしょうか。現在RPAという新たな領域にてチャレンジされている関様を私たちも微力ながら引き続き応援しております。
カスタマーサクセス部 柘植