sansan
社名
沖縄ツーリスト株式会社
事業内容
旅行業、レンタカー業
資本金
5,500万円
設立
1958年
従業員規模
PROFILE
吉岡 正彦 さん
藤原 祐平 さん
沖縄ツーリスト株式会社
吉岡さん(左)
業務の効率化のため、ツールやシステムのICT化を推進。Sansan導入に関しても中心的な役割を果たす。9歳、5歳、3歳(インタビュー時)のお子さまを子育て中。にぎやかで、楽しい毎日を送っている。
藤原さん(右)
営業畑でキャリアを積み、2019年4月より現在の部署へ。現場での経験をICT戦略に生かしている。趣味はスポーツ観戦。特に野球は、地元球団ということで、小学生時代から広島東洋カープ一筋。
全社員の協力の下、 最速で人脈データベースを構築
「つながる」が創業60周年のテーマに

吉岡さん:旅行に対するニーズの変化やITの発達によって、旅行業界は進化したビジネスモデルが求められています。実現のためには、より質の良い情報を手に入れ、企業間同士で広いつながりを持てるかにかかっています。そこで2017年より、翌2018年の創業60周年に向け、会長が「つながる」を全社的なテーマとして打ち出し、社内取り組みの刷新を目指しました。その一環として、社員の名刺管理もICT化する話が浮上しました。

名刺管理は営業担当それぞれに任されていました。しかし、当人は名刺交換した人とつながっていても、会社としては、どの社員がどの企業のひととつながっているかはわかりません。これが可視化できれば、個人の「つながり」を企業の「つながり」として役立てられます。当社の営業担当は約600名おりますが、1人が1枚でも名刺交換すれば、それは600名が新たなつながりを持ったことになり、社の資産として生かせると考えました。

トップダウンのオンボーディング

吉岡さん:実は、当社ではSansan以前から、東会長自らEightの利用を推奨していました。紙ベースでの管理は手間がかかるため、効率化を図るのが狙いでした。そのため営業担当によっては、名刺をデータ化して管理しているものも少なからずいました。今回のSansanの導入は、「個人のデータを全社で生かすプラットホームをつくろう」という点が、それまでとは違う新しい方向性でした。

導入にあたっては、完全なトップダウンで進めていきました。全国各拠点の社員が持っている名刺を、マネージャークラスのハンドリングによって本部に提出させ、Sansanのサポートによって一気にデータ化。期日に遅れるということはありませんでした。「“つながり”を共有化する」という価値が、潜在的に理解されていたからかもしれません。

藤原さん:当時、私は営業でしたが、各支店の営業担当とのやりとりは非常に重要でした。旅行業界の場合、それぞれの地域のホテルや観光協会、交通機関などとの交渉が必要です。もし、関わりのある営業担当から紹介を受けたり、情報をもらったりすれば、スムーズに進められます。Sansan以前は個人が知っている範囲や、「営業支店がお客さまの近くにあるから、もしかしたら…」というような勘や経験に頼っていました。

しかし、正直なところ、そのような「つながり」を見つけられず、直接お客さまにあたるケースがほとんどだったのです。Sansanによって、そんな非効率な営業活動が改善されるという期待はあったと思います。

つながりがより強いつながりを生む
企業との接点が「1対多」へ。メール反応率は約10%向上

吉岡さん:Sansan導入後、毎月平均で4,000~5,000枚の名刺が登録されており、件数は2019年7月現在、約40万件にも登っています。

藤原さん:社内間のコミュニケーションは確実に密になりました。そもそも当社は、沖縄発祥の企業のため、沖縄への送客には強かったのですが、それ以外の国内や海外についてはパイプが細いのが課題でした。その一方で、地元沖縄には日本各地や世界に送客している店舗が多数あります。そのつながりのデータベースを、社員全員が使えるようになったのは大きなメリットだと感じます。

お客さまへのマーケティングにもSansanを活用しています。Sansan導入前は、ターゲット企業の代表メールアドレスに「御中」という形で送っており、反応率は正直なところゼロに近い状態でした。しかし、Sansanを使ってOne to one形式のメールを部署全体で配信したところ、少し遠のいていたお客さまからご連絡をいただきました。反応率は以前と比較しても10%以上向上していると思います。これらはもちろん、すぐに商談や売り上げにつながるものではありませんが、それがきっかけでつながりが再び強くなっています。今後、情報発信によるコーポレートブランドの強化を見据えている当社としては、非常に強力な武器を得たと思っています。

吉岡さん:名刺データの蓄積が増えれば、メール配信の量も増やせます。Sansan以前は、1つの企業に「1対1」のアプローチしかできませんでした。しかし、各営業担当のつながりをすべて利用できるようになったことで、1つの企業でも複数の担当者に対してメールを送れる、つまり「1対多」の働きかけができるようになっています。

Sansanが戦略的アプローチのきっかけに

吉岡さん:Sansanを導入して最も変わったのは、Sansanがアカウントプラン* を持つきっかけを与えてくれたことです。先に藤原が申し上げたとおり、Sansan導入前は、パイプの細い地域の施設を開拓する際、「とりあえず電話してみよう」、「とにかく訪問して話を聞いてもらおう」という考え方が強かったと思います。ところが、Sansanの導入をきっかけに、「◯◯支店の彼はこの施設の関係者と繋がりがあるから、ここからアプローチするのが良さそうだ」と考えるようになりました。当初これは、「社内の人脈を活用する」 という非常に些細な動きに過ぎませんでしたが、今ではその考え方そのものが発展し、「どうすれば効率的、かつ戦略的にその案件を攻略できるのか?」、「より良い条件で案件を受注するにはどう動くべきか?」という思考を多くの社員が持つようになっています。これはもちろんSansanだけでなし得ることはできませんが、Sansanがそのような視点を持ち込んでくれた面はあったと感じています。事実、Sansan導入後、沖縄以外の地域での販売力が向上しており、確実な成果を実感しています。

* 顧客から受注を得るために、戦略的かつ組織的にアプローチする営業手法や計画の総称。主にエンタープライズ規模の顧客に対して行う

藤原さん:その効果は現場でも感じています。特に仕入れ面で顕著になっており、過去、取引が薄かった施設から良い条件を提示してもらえるようになりました。サプライヤーに対しても、“つながり”の深い社員を介してアプローチすると、条件が大きく変わってきます。“つながり”を駆使して、仕入れ条件の向上を図ることで、最終的に利益向上につながっています。

「100年企業」に向けて
沖縄ツーリストの企業価値向上のために

吉岡さん:Sansanを2017年に導入し、現在はどのように生かしていくかというフェーズに入っています。今までは、自分たちが駆けずり回って情報を収集し、パッケージツアーを企画して販売するという時代でした。今後は、価値やサービスを見直し、社会で求められる新しい価値やサービスを生み出す時代へと変わっていきます。それらを生み出すためにSansanで見える化されたつながりをより有効活用していければと考えています。

当社は60年続いてきました。次を意識するなら100年企業です。100年残るのは、やみくもに利益を上げるような企業ではありません。社会から必要とされ、企業価値を共感される理由があるはずです。つながりを生かすことで、長い目で沖縄ツーリストが必要と思われるビジネスモデルをつくっていきたいです。

編集後記

同じICT戦略室のご在籍ですが、吉岡様には導入、活用を推進するという立場から、藤原様には利用者としての立場からこれまでを振り返り、これからをお話し頂きました。「つながり」というSansanと関連性の強いビジョンを会社としてお持ちであったこと、そのビジョンが組織の隅々にまで浸透していたからこそ、SansanというITツールの活用がスムーズに拡がっていったということを肌で感じる事ができたインタビューでした。

 

カスタマーサクセス部 渡邊

社名
沖縄ツーリスト株式会社
事業内容
旅行業、レンタカー業
資本金
5,500万円
設立
1958年
従業員規模
この企業と同じ
従業員規模 500〜999名の事例
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