川合さん:福西電機は、電設資材、電子機器、制御・通信機器といったエレクトロニクス商材を中心に取り扱う専門商社です。私が所属する産機営業本部は、主に製造業の顧客を対象に産業機器の販売を行っています。
我々がSansanを導入したのは2020年。当時、顧客の名刺やその情報の管理は、かなり属人的なものでした。例えば、デスクが隣同士でも各々が取引している顧客がどんな企業で、どんなやりとりをしているかわからない状態。実際、アプローチしたい人物への接点を探すために社内をかけ回ったり、情報共有のために名刺をコピーする社員の姿が散見されていました。人脈を共有したいニーズはあるものの、場当たり的に確認するしかなく非効率だったのです。
松岡さん:中には、名刺が引き出しにしまったままになっているケースもあったようです。そのため、担当替えや異動で人脈を引き継ぐ際、残念ながら人脈が途切れてしまうこともありました。名刺情報は我々にとっての資産なのに、このままで良いのかという疑問がありましたね。
また、当時はオフィスのフリーアドレス化が議論されていました。フリーアドレスとなると自分の座席がなくなるわけですから、名刺をそのまま各自で保管するのは難しくなるので、名刺情報のデータ化が必要になります。Sansan導入にはこうした背景もありました。
松岡さん:Sansan導入により、社員一人ひとりの名刺管理はシンプルかつ簡単に、人脈の共有も効果的かつ効率的になりました。いまでは、営業担当同士で「あの会社の○○さん、知らない?」というやりとりはなくなっていますね。そのほか、名刺情報をもとにお客様の組織図が自然と可視化され、キーパーソンを把握しやすくなったことも成果として大きいと思います。また、Sansan導入後ほどなくしてオフィスがフリーアドレスになったのですが、これもスムーズに移行できました。
今では、社内に「Sansanは必要ない」という人はいないと思います。実際、Sansanアクティブ率は90%を超えるほどです。
川合さん:情報共有という点では、特に[コンタクト]機能が業務に与えたインパクトは大きいと思います。営業担当が各自で知り得た顧客情報や市場の状況を同機能を使って残すことで、Sansan上で素早く共有・活用する流れが、拠点を越え全国の営業担当者のあいだで進んでいると感じています。
また、何よりこの機能の恩恵を一番受けているのが、私のような管理職の人間。営業担当の動きを知りたいときには、[コンタクト]を確認すれば良いですし「取引先からこんな要望をもらっている」「問い合わせを受けている」といったアラートにも素早く対応できるようになりました。また、個々の営業担当の[コンタクト]を見ていると、共通のキーワードや売れている商材が見えてくる。大まかな市場動向の把握や予測に役立ち、営業戦略を立てる際の一助になっています。さらに、社員教育という面でも、成果の出ている営業担当の[コンタクト]を共有し、アドバイスやモチベーションアップに活用できています。
松岡さん:こうした状況を実現するため、社内にSansan活用を浸透させるためのエバンジェリストとして、さまざまな推進活動を行いました。はじめに、全国の営業拠点に向け、オフライン開催を含め、Sansanの利用説明会を実施しました。これが大きなきっかけとなり、拠点を越えた活用が実現できたのだと思います。
また、特に力を入れたのが、推進を担う私自身がSansanを使いこなすこと。私が現場からの問い合わせや質問の回答に詰まることで、Sansanを「使いにくい」と思って欲しくなかったのです。加えて、新しいツールを使えるようになるにはどうしても一定の慣れが必要なので、操作に関する質問は「同じことでも何度も聞いて欲しい」と伝えました。
さらに、弊社で使用しているビジネスチャットツール上に、Sansanに関する情報提供と相談窓口になる場を設置しました。ここで寄せられた問い合わせには、どんな内容でも真摯に答えるよう心掛けましたね。
松岡さん:当然、これらの推進活動を進める中で苦労もありました。導入当初は、なかなか利用率が伸びない状態が続いていたのです。特定の機能でいうと、今では重宝している[コンタクト]の利用もイマイチでした。日々の業務で忙しい状況で新しいツールを使いこなすために時間や手間を割くのは、抵抗があって当然ですよね。
そこで私は、普段の営業担当とのやりとりの中で、Sansanとの接点を設けることを意識しました。例えば、営業担当者とのちょっとした会話の中でSansanについて触れたり、便利な機能についてこまめに発信したり、負荷のない形で情報が入っていくようなコミュニケーションですね。また、大きな効果を発揮したのが、社内の先輩方や上司に協力してもらい、後輩たちに対しSansan活用の啓蒙を行ったことです。これにより、Sansanが社内で自然と広まっていくようになりました。
一方[コンタクト]については、管理職の閲覧が習慣付くよう意識して進めました。具体的には、最初に同機能の利用意義を管理職に丁寧に説明し、リアクションは部下のコンタクトの登録意欲を保つために必須とすること、[コンタクト]への記載事項は具体的なアクションに落とし込むことなどをお願いしました。また、部門責任者である川合にこの機能を積極的に活用してもらったことも、活用促進を後押ししたのだと思います。
川合さん:[コンタクト]を率先して利用したのは、導入当初から顧客情報の蓄積と活用という観点で大きな期待を寄せていたからです。ただ、自分で利用するだけでは自己満足にしかならないので、営業担当やスタッフが、互いの活動内容を気軽にフォローし合う雰囲気作りも心掛けました。松岡がSansanのエバンジェリストとして、問い合わせに真摯かつ素早くレスポンスしていたのも影響しましたね。どんなときも嫌な顔ひとつせず、丁寧に対応してくれたので、営業担当も安心して使えたのでしょう。
川合さん:今後は現場の営業担当はもちろん、管理職にこそSansanをもっと活用して欲しいと思っています。特に[コンタクト]には引き続き期待したいです。
営業担当がコンタクトを入力するのは、お客様からご意見やご要望を受けたときが多い。それは、管理職に「知っておいてほしい」ことがあるからだと思います。これに管理職側が素早くレスポンスすれば、お客様への対応の質も上がりますし、営業担当も安心できます。
また、確認とレスポンスだけでなく、管理職側も日々の活動を入力するよう、より徹底していきたいですね。もちろん、私も例外ではありません。管理職と取引先とのやり取りは貴重な情報ですから、これは共有するべきです。理想は、全員が全員を『フォロー』し合い、そして得た情報を基に活動することで、更に情報がブラッシュアップされている状態です。
松岡さん:私の方では、Sansanで得られるメリットをもっと現場に伝えていこうと考えています。そのために、引き続き現場に負荷のないコミュニケーションをしつつ使用感のヒアリングを強化するなど、現場に今以上に向き合っていきたいですね。また、情報をインプットし続けることも重要だと思うので、セミナーはもちろんコミュニティーにおける他社との情報交換も積極的に行っていきたいです。
これからも、我々推進を担う人間が先陣を切ってSansanで何ができるのかを模索し、現場に寄り添いつつ活用方法を落とし込んでいきたいと思います。
福西電機さまの高いSansan利用率は、推進いただいた皆さまのご尽力あってこそだと改めて痛感しました。利用定着のための活動は、多くの推進者の方が一度は悩まれること。本事例は、そんな方々にとって大いに参考になると思います。現状に甘んじることなく、さまざまなオンラインセミナーから情報を絶えずキャッチアップし、蓄積したデータの活用についても全力で向き合うみなさまのご活躍を、今後も大変楽しみにしております。
カスタマーサクセス部 熊谷