西内さん:当社は、今年で創業107年目の歴史ある新聞社です。1915年、産業総合紙「日刊工業新聞」の前身である「鉄世界」を創刊し、事業をスタートしました。現在は新聞事業を核に、産業総合情報機関としての機能をさらに高め、電子メディアや展示会・イベント、出版、教育といった新たなビジネスに挑戦しています。また、社内においてDXプロジェクトチームを立ち上げるなど、社内変革にも力を入れています。
そんな当社がSansanを導入したのは2015年。ちょうど創業100周年の年でした。導入の目的は、顧客や取材先の情報共有を効率的かつ効果的に行うこと。それまで、取材先や取引先の情報管理は社員毎、チーム毎に分散していました。また、私は導入に直接関わってはいないのですが、「顧客や取材先の情報は我々の資産である」ということを社内に示すためにも、Sansanを導入したと聞いています。今では社内におけるSansan活用も習慣化し、導入の狙いであった情報共有も効率的、効果的に行えるようになりました。
小林さん:そうですね。私の場合は記者ですので、取材先の情報管理をするのにSansanを役立てています。我々記者は、日々多くの企業の方にアプローチをして取材します。ですから、取材先とのつながりは私たちにとってまさに生命線といえます。その管理や共有が簡単にできるという点でSansanは貴重な存在です。
西内さん:情報共有だけではありません。最近は、Sansanを営業やマーケティングの文脈で、積極活用していこうと考えています。たとえば、私が管轄するデジタルメディア局コンテンツサービス部では、「メール署名取り込み」機能を営業やマーケティング活動を強化する手段として活用しています。
この部署では、法人顧客に対し、日刊工業新聞および電子版に掲載された著作権がある記事や写真・図表といったコンテンツを有料で販売する、著作二次利用事業を展開しており、直近は営業やマーケティングの強化に力を入れています。これまでは、申し込みフォームから問い合わせが来たら、担当者がメールで価格などの説明をするという流れで営業を行っていました。しかし現在は、こうした受け身のスタイルから脱し、リピート率を高めるための営業やマーケティングを行えるような環境構築を目指しています。
そんな中、当初課題になっていたのがリピート顧客の可視化です。前述した通り、フォーム経由の申し込み後のやりとりは、基本的にメールで行われます。コロナ禍も相まって、名刺交換をする機会もないので、顧客情報の蓄積はもちろん、その分析や有効活用ができずにいたのです。そんな時、メール署名取り込みに出会いました。この機能でメールの署名情報を取り込みリスト化すれば、リピート顧客を可視化することができ、アプローチすべきターゲットが特定できると考えたのです。
小林さん:私も、取材先の管理業務を効率化するためにメール署名取り込みを使いはじめ、重宝しています。
コロナ禍をきっかけに、ここ2〜3年のあいだで取材はオンラインが中心になりました。そうなると、新規の取材先とのやり取りは、ほとんどがメールベースに。コロナ禍以前は、名刺交換をしてSansanに取り込みさえすれば顧客情報を管理できたのですが、それができなくなってしまった。そこで私は、エクセルで取材先とのメールでのやり取りを参照しながら、手入力でリストを作成していました。しかし、これが結構骨の折れる作業で、入力漏れがあった場合は過去の膨大なメールを追わなければならないなど、手間がかかっていました。
そんなときSansanから届いた案内で、メール署名取り込みを知ったのです。早速自分で使ってみたところ、業務で活用できる可能性を感じたので、他部署にも共有しました。
西内さん:私の部署では、メール署名取り込みを活用することで、現在月間50件ほどのペースで、リピート顧客の可視化が進んでいます。まだ機能を利用しはじめてから3ヶ月程度しか経っていないため劇的な成果は出ていませんが、リピート率も向上していることがわかっています。メール署名取り込みでリピート顧客を可視化し、積極的に営業をかけたほか、マーケティング施策を実施したことが成果につながりました。
小林さん:メール署名取り込みを使ってみて良かったのは、やはり手入力でリストを作成する手間が削減できた点です。ボタンひとつで、受信フォルダにある取材先の情報を取り込んでSansan上でリスト化できるので、とても助かっています。リスト作成の手間が省けたので、以前よりも取材にかける時間が確保できていますし、他の記者からも「これは便利だね」という声が挙がっています。
西内さん:なお今後は、全社的にSansanをCRMの観点でより活用していけないかと考えています。現在も、すでにSansanに取り込んでいる名刺情報の一部をCRMツールにつないでいるのですが、今後はより多くの情報をつなぎ込むなど、連携を強化していきたいですね。というのもSansanでは、オンライン・オフライン問わず、どの接点から顧客情報を取り込んだかが把握できる。対面の名刺交換なのか、もしくはメール上でのやり取りをメール署名取り込みで取り込んだのか、などですね。これは、顧客行動の可視化につながるので、最適なコミュニケーションを設計する際の貴重な判断材料になります。
小林さん:私の方では、すでにSansanを使って試験的な取り組みを始めています。Sansanに蓄積した取材先に対し、自分の関心ごとや手がけている記事を提示し、情報収集の新たなきっかけを作るのです。これは、アメリカのテック系ジャーナリストが、アナリストなどから情報収集をする際の手段として昨今流行っており、取材先との関係構築や情報収集に有効と考えられています。この施策に関しては、今後も検証を続けていき、新たな取り組みを通じてSansan活用の幅を広げていきたいです。
西内さん:小林のような記者も私のようなビジネス側の人間も、役割に関係なくそれぞれのミッションを実現するため、これからもSansanを積極活用していきたいと思います。特に、Sansanの強みである、メールをはじめとした「あらゆる接点を取り込める」点には大いに期待しています。
リリース間もない機能にもかかわらず、早速メール署名取り込みを既存の業務に活用されている西内さん・小林さんのスピード感に感動しました。今回直接お話を伺えたことで、運用支援担当としてもより価値を届けねばと、身の引き締まる思いです。ハイブリッドな働き方になった世の中で、よりSansan活用の可能性を感じられたストーリーでした。
カスタマーサクセス部 白井