sansan
社名
株式会社白山
事業内容
光通信関連製品の開発・製造・販売
創業
1947年
PROFILE
金原 竜生 さん
赤石 大将 さん
株式会社白山
経営管理本部 IOWN推進部 グローバルマーケティングリーダー / 総務人事部 法務グループ
グローバルマーケッターとして、コーポレートブランディングや市場シェア拡大戦略を指揮する金原さん。そして、社内規定の整備や各部署の契約書チェック、ITシステム管理などを担う赤石さん。そんなおふたりの週末のリフレッシュ方法は、金原さんはご家族とのキャンプ、赤石さんはYouTubeでお気に入りの動画を鑑賞することなのだとか。
変化が多い時代に対応すべく、
Sansanを導入
高い製品力ゆえの課題

金原さん:白山は、通信回線や光情報通信製品などの製造・販売を行う独立系メーカーです。保安器(家庭用電話機に使われる雷防護製品)からスタートした1947年の創業以来、人々の通信インフラを陰ながら支えてきました。現在は、国内のみならず市場を世界中に広げ、当社の主力商品である多心光コネクタ用部品「MTフェルール」は、世界2位のシェアを占めています。

そんな白山の大きな強みが製品力。創業以来、未来を見据えた先進的な研究開発に尽力してきました。しかし高い製品力があるがゆえ、特定の大手顧客から量産注文を受けることで、事業を継続できていた歴史があります。つまり良くも悪くも、新規顧客や販路を開拓するノウハウや文化がつくられてこなかったのです。

先行きの見えないこの時代、これは喜ばしいことではありません。実際、過去には市場の変化による製品発注の激減に対応できず、一時倒産の危機に陥ったこともありました。

営業手法の見直しと意識改革が急務だった

金原さん:こうした状況を打破すべく、まずは営業手法の見直しと営業人員の意識改革が不可欠と考え、ツール利用の検討を開始したのです。名刺管理とCRMを備えるサービスを10社ほど比較する中、Sansanに出会いました。

導入の決め手となったのは大きく2つです。1つは営業に関連する付帯業務が削減できる上、過去の人脈資産をデータベースとして利用可能なこと。もう1つはリスクチェック業務を大幅に効率化できる見込みがあったことです。後者についていえば、当社ではかねてより課題になっていたため、社内からの期待も非常に高かった印象です。

こうして、「新規取引顧客獲得」「既存顧客への新製品提案や、他部門製品提案による売り上げ向上」「全社における顧客データベースの作成」「顧客管理における業務の効率化」の4つを具体的な導入目的に据え、2022年12月にSansanの利用を開始しました。

リスクチェックと案件管理を効率化
チェック業務時間が10分の1に短縮

赤石さん:Sansan導入前、当社におけるリスクチェックは、購買部と営業部のメンバーがビジネスデータベースサービスを用いて行い、それを法務グループがダブルチェックするというフローで運用していました。

具体的には、まずビジネスデータベースサービスにて取引先名をネガティブキーワードと組み合わせて検索します。この際、もしネガティブな結果が確認された場合は、そのソースとなるWebページが信頼足り得るものかどうかを確認。その後、結果をWordで文書にし、それをまたPDFに変換して部長に提出します。そして部長の承認を得た後、我々法務グループのメンバーが再度チェックするという流れです。1件あたりの所要時間でいくと平均30分以上を要しており非効率でした。

そんな中Sansanの[リスクチェック]機能のことを知り、これは使うべきだと思い、フローの刷新を行いました。まずはビジネスデータベースサービスを用いた、各担当部署での確認業務を廃止。すでに導入していた人事労務管理ソフトにSansanを連携し、取引先申請のワークフローにリスクチェックを組み込みました。各担当者から上がってきた申請を受け、法務グループがSansanの[リスクチェック]機能の結果で取引可否を判断するというシンプルな形です。フローの刷新後は、リスクチェック1件あたりにかかる時間は3分ほどまで短縮できています。



情報が可視化され業務効率が向上

金原さん:リスクチェックの効率化以外にも成果が見られています。以前は営業部および開発部の議事録および週報は、エクセルやワードで行なわれていました。また、営業部の一部では顧客毎の議事録が存在しなかったことから、顧客毎かつ時系列に沿った情報の確認・共有が、非常に困難だったのです。

現在は、エクセルやワードをSansanの[コンタクト]に一本化したことで、時系列かつ顧客毎にやり取りが把握可能になったほか、部門間の情報共有も容易になりました。会議時間についても、事前に効率良く情報を把握できるようになったため、週90分から週60分以下に短縮されました。

また、案件管理についても、Sansan導入による改善が見られています。従来、当社の経営層は各事業部の進捗状況や案件数を、現場から上がってくる報告ベースで把握していたので、タイムリーな状況把握が困難でした。

しかし現在は、全社でSansanの[案件管理]を用いて進捗を可視化できるようになったので、状況把握がタイムリーかつ効率的になりました。加えて、[コンタクト]を併用することで情報収集の質と効率が高まり、案件化スピードも高まりましたね。

成果につながった導入・推進の取り組み
経営陣や他部署の早期巻き込み

金原さん:導入からわずかな期間で、一定の成果を生み出せた理由は大きく2つあります。

1つ目は、ボトムアップで導入を進めたことです。当社では従来、何かを実行する際はトップダウンで決まることがほとんどでした。しかし今回のようなツール導入については、現場の社員自ら上申した方が、課題に沿った活用をイメージできますし、各所との連携がスムーズに行えます。まさにリスクチェックの効率化は、私が現場の課題を把握し、赤石がその課題に対する方策を自ら考え、実践したことにより得られた成果だと思っています。

2つ目は、早い段階から他部署のメンバーやミドルマネジメント層、経営層を巻き込んだことです。まずは最初に巻き込んだのは、営業や法務、システムなどの部署のメンバーです。彼らには他社サービスとの比較段階から参加してもらいました。このメンバーは現在推進担当になっており、活用促進に大いに貢献してくれています。

また、ミドルマネジメント層や経営層についても、早期に話を持ちかけることで、Sansan導入で得られる意義や効果、ひいては目標を明確にすることができ、その後の推進にもプラスになりました。

現場の課題感やアイデアを大事にする

赤石さん:Sansanの推進責任者である金原が、現場視点を大事にしていた点は成果につながった要素の1つだと思っています。実際、リスクチェックの新フローへの刷新時には、とても自由に取り組ませてもらいました。現場視点を重視する姿勢があったからこそ、私を含めた法務グループのメンバーもスピード感を持って動けたのだと思います。

また、そもそも法務グループでは、リスクチェックの効率化が以前より課題だったため、話がスムーズに進んだというのも要因の1つだと思います。確実に工数が削減されるなら大歓迎といった空気がありましたね。

Sansan社のサービスをきっかけに、
営業DX、全社DXを目指す

金原さん:導入から早い段階で、一定の成果を生み出せたことは嬉しく思っています。特にリスクチェックは大幅な効率化になっています。今後もこうした営業に付帯する業務を効率化し、本来注力すべき業務に営業担当がリソースを割ける、そんな営業手法にシフトしてきたいと思っています。しかし導入時の目的に照らすと、まだ大きな成果を得られているとはいえません。今後も引き続き推進活動に尽力していきたいですね。

また、我々にとってSansan単体で成果を上げるのはあくまで短期的な目標です。現在我々はContract Oneも利用しており、取引先の契約情報を効率的に把握するのに非常に役立っているわけですが、長期的にはこれら関連サービスで得られたデータをSansanをベースに活用していきたいと考えています。

さらに言えば、ツールはあくまで変化のきっかけでしかない。今後は、SansanおよびContract Oneという「きっかけ」を最大限活用し、営業DX、ひいては全社DXを実現していきたいと思います。

編集後記

導入から間もないにもかかわらず、Sansanのリスクチェックを業務に組み込み、大幅な業務の効率化を実現した白山さま。現場の声を大切にし、ボトムアップでの導入や他部署との連携が成果の鍵となった本事例は、利用定着に悩まれる推進者の方々にとって大いに参考になるかと思います。全社DXの実現に向けた、今後のご活躍も大変楽しみです。

カスタマーサクセス部 亀井

※ページ上の各種情報は2023年7月時点のものです。
社名
株式会社白山
事業内容
光通信関連製品の開発・製造・販売
創業
1947年
この企業と同じ
従業員規模 50〜199名の事例
X