当社は「人の暮らしに潤いを与え、産業に貢献する『霧』を創り出す」を使命として、霧を発生させる技術をコアとした製品を開発・提供しています。代表製品であるスプレーノズルを取り扱うノズル事業部では、鉄鋼、車輌・運輸、エレクトロニクス、食品などの工場から、農林・水産分野、景観・環境分野まで、あらゆる業界に製品を提供しています。空調事業部は「ドライフォグ」という濡れない霧を発生させることで湿度を調整する製品を提供。さまざまな工場でご利用いただいています。さらにアグロ事業部では、農畜産業用に特化した霧を発生させる製品を取り扱っています。
そんな当社がSansanの利用を開始したのは2017年。当社は少額の取引にも柔軟に対応しているので、営業担当1人あたりの担当社数が多く、その数は1000~2000社にも及びます。そのため各営業担当が抱える人脈も多岐にわたるのですが、Sansan導入前は各々がファイルで名刺を管理するなど情報が属人化し、営業活動が非効率な状態でした。
例えば新規営業を飛び込みで行う際、Sansan導入前は訪問先と自社との接点の有無が確認できなかったため、行ってみると取引のある企業だったというケースが頻繁に発生していました。営業担当の中には、他の事業部の担当と現在のアプローチ先を確認するために、毎週打ち合わせの時間を設けている者もいたほどです。
Sansanを導入したのは、全社で顧客情報を一元管理することで、こうした課題を解決することにありました。
Sansan導入により感じている成果の1つが営業活動の効率化です。
具体的には、まずはバッティングの防止です。当社の営業担当は、問い合わせのあった顧客へ訪問する際、同時に周辺企業に飛び込みで新規営業を行っています。しかし、過去にやり取りのある企業を把握できていなかったため、前述の通り訪問先のバッティングが頻発していました。Sansan導入後は、営業担当が持つ人脈が可視化され、事前に社内の接点有無が確認できるようになったため、未然にこれを防ぐことができています。
また、営業の手法自体の効率化も進んでいます。例えば、以前は事前のアプローチをせずに飛び込みで新規営業を行っていた担当が、現在はSansanの[企業DB]を活用し、訪問先の地域に拠点がある企業をリストアップして事前にアポイントを獲得してから商談に挑む、というケースが見られます。こうした取り組みにより、有効訪問数が30%ほど向上しました。また他の営業担当は、事前にスマートフォンの地図アプリにリスト化した企業を登録し、訪問先を効率的に回れるように工夫しています。
アプローチ先に応じた最適なシナリオを準備できるようになったことで、受注率が向上した点も成果として実感しています。これは、Sansanの機能により人脈が可視化され、営業担当間における情報共有が可能になったためです。
特にSansanの[組織ツリー]や[人事異動ニュース]といった機能が大きな役割を果たしています。これらを用いれば、キーパーソンの情報を得ることができるほか、アプローチすべき部署や人物を明確にすることが可能なので、最適な提案シナリオを構築しやすくなりました。例えば当社の場合、調達部門の方がキーパーソンになるケースが多いので、組織ツリーを活用してキーパーソンの特定と情報収集を行うことにより、最適な方法でアプローチすることが可能になりました。
また、しばらく取引がない案件については、過去に接点を持つ役員を同席させるなどして、確度を再び上げるといった取り組みも行っています。これらが功を奏し、結果的に受注率も1.2倍ほど向上しています。
Sansanの推進活動においては、積極的にSansanを活用しているユーザーを賞賛することを心掛けています。
たとえば当社では、各営業担当が月間で獲得しSansanに取り込んだ新規の名刺枚数を、一覧表にし社内共有しています。そこで好成績の担当を賞賛するようにしています。
この施策を開始してはじめのうちは、件数の少ない担当を色付けして強調していたため、ネガティブな反応もありました。しかし方針を変え、年間トップ10の担当をピックアップして賞賛するなど、前向きな共有の仕方に方針を変えたところ、ネガティブな反応はなくなり、全体のモチベーション向上にもつながりました。
今後は、Sansan Data Hubを用いたSansanとSalesforceの連携により、マーケティングやインサイドセールスを強化していきたいですね。
具体的には、まずはSansanに登録された情報を、メルマガ配信や展示会の集客などへ活用することです。この中には既に実施している施策もあり、一定の手応えを感じています。また、営業施策の改善をより効果的、効率的に実施することにも注力していきたいですね。現在、Salesforce連携により、インサイドセールスから営業担当に受け渡した案件がどのような営業活動を経て受注につながっているのか、その過程を把握できるようになりました。今後はその要因を分析し、施策改善に生かしていけるような動きを展開していきたいと考えています。
ここ数年、当社では営業DXの実現に向けて積極的に動いています。2021年に、私が所属するインサイドセールス課が発足したのもその一環。Sansanには、こうした流れを加速させてくれる存在としても、今後大いに期待しています。
Sansanを通じて情報の属人化を解消し、営業変革に向けた道を着実に歩んでいらっしゃる株式会社いけうち様。それもひとえに、宮脇さんの現場に向けた推進活動があってこそだと考えています。今後も、Salesforce連携などによりデータ活用が進み、更なる成果が生み出されることが楽しみでなりません。
カスタマーサクセス部 亀井