効率のよい競合調査とは?フレームワークと調査のポイント
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競合調査とは、自社が展開している製品やサービスに対して同じまたは類似する製品やサービスを提供している競合他社の動向や戦略を分析することです。
競合他社の動向や戦略を把握することで、自社の強みや改善点を見つけることができるため、ビジネス戦略の立案に役立ちます。
本記事では、調査のポイントや明日からすぐに実践できる競合調査のフレームワークと、その過程で役立つSansanの機能についてご紹介します。
▼ 目次
競合調査において見るべきポイント
競合調査を行う上で、チェックしておきたい項目は6つです。
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市場ポジション
競合他社の市場シェア、成長率、収益性など
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製品・サービス
競合他社の製品やサービスの品質、機能、デザイン、価格、アフターサービスなど
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マーケティング戦略
競合他社の広告キャンペーン、ブランドメッセージ、プロモーション活動、デジタルマーケティングの取り組みなど
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顧客フィードバック・評判
顧客のフィードバックやオンラインレビュー、顧客との関係性構築方法など
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価格戦略
競合他社の価格帯、ディスカウントやプロモーションの頻度、価格と価値のバランスなど
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流通チャネルと販売方法
競合他社がどのような流通チャネルや販売方法を採用しているか
これらの項目から競合を分析し、自社のビジネス戦略を立てることで、より効果の高い施策の実行を実現することができます。
分析のためのフレームワーク
効率よく競合調査・分析するためには、フレームワークの活用がおすすめです。
ここでは、競合調査においてよく使われるフレームワークを5つご紹介します。
SWOT分析
SWOTとは、自社のStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の4つの頭文字をとったもので、 これら4つの項目と4つの軸(プラス要因・マイナス要因・内部環境・外部環境)を用いて企業や事業の現状を把握するためのフレームワークです。
競合他社も同様に分析し、自社と競合他社の比較を行えば、戦略立案に役立てることができます。
3C分析
3C分析は、外部環境の市場と競合の分析からKSF(Key Success Factor:成功要因)を見つけ出し、自社の戦略に活かすためのフレームワークです。
Company(企業): 組織のリソースや能力、戦略的立場などにおける、自社の強みや弱みを分析します。
Customer(顧客): 顧客のニーズや行動パターン、市場セグメントなどから、競合他社の顧客を取り込むための戦略を考えます。
Competitor(競合他社): 競合他社の強みや弱み、戦略、市場での競争力を分析し、自社の差別化ポイントを見つけます。
主に新規事業の立ち上げ時や事業戦略の改善、事業撤退の判断をする際に活用できます。
4C分析
4C分析は、顧客視点から商品・サービスを分析するフレームワークです。
Customer(顧客): 3C分析と同様に、顧客のニーズや行動など、顧客中心の視点で市場を分析します。
Cost(コスト): 顧客にとってのコストを重視します。購入コストや利用コスト、代替品への切り替えコストなどを考慮します。
Convenience(利便性): 製品やサービスの提供方法やアクセスのしやすさ、購入手続きのスムーズさなどを分析します。
Communication(コミュニケーション): 顧客とのコミュニケーションを重視します。情報提供やフィードバックの仕組みを構築し、顧客との関係を強化します。
主に、顧客中心の視点を重視したマーケティング戦略を策定する際に活用できます。
STP分析
STP分析は、「セグメンテーション(Segmentation)」、「ターゲティング(Targeting)」、「ポジショニング(Positioning)」の3つのステップに分けて分析する手法です。最も価値のある市場セグメントを選定し、その市場における自社製品やサービスの位置づけを決定します。
1. セグメンテーション(Segmentation)
市場を異なる顧客グループに分類するプロセスです。これにより、異なるニーズや特性を持つ顧客群に対して効果的にアプローチできます。一般的なセグメンテーションの基準には以下があります。
・地理的要因:地域、都市、気候など
・人口統計的要因:年齢、性別、所得、教育など
・心理的要因:ライフスタイル、価値観、人格など
・行動的要因:購買行動、使用頻度、ブランドロイヤリティなど
2. ターゲティング(Targeting)
セグメンテーションで分類した市場セグメントの中から最も魅力的なセグメントを選び、そのセグメントに対してマーケティング施策を実施するプロセスです。以下のような基準を用いてターゲットセグメントを選定します。
・市場規模と成長性:セグメントの規模と将来の成長可能性
・競争環境:競合他社の存在と競争の激しさ
・収益性:セグメントの収益ポテンシャル
・自社の強みとの適合性:自社の資源や能力がセグメントのニーズに適合しているか
3. ポジショニング(Positioning)
選定したターゲット市場セグメントに対して、自社製品やサービスをどのように認識してもらいたいかを決定し、それに基づいてマーケティング戦略を策定するプロセスです。ポジショニングを成功させるためには、以下の3つの要素を考慮することが重要です。
・独自の価値提案:ターゲット顧客に対して他社製品と差別化された価値を提供すること
・競争優位性:競合他社に対して自社製品の強みを明確に示すこと
・一貫性:マーケティングメッセージやブランドイメージを一貫して伝えること
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、企業活動を価値を生み出すための連鎖として捉え、それぞれの活動がどのように付加価値を生み出しているかを分析する手法です。
どの活動が競争力の源泉となっているのか、どこでコスト削減や効率化が可能かを明確にすることで競合との差別化を図ることができ、中長期的な戦略立案やブランディングに役立ちます。
バリューチェーンの主な構成要素は以下の通りです。
主活動(Primary Activities)
・インバウンド・ロジスティクス:原材料の受け入れ、保管、流通など
・オペレーション:原材料から製品を作り出す工程
・アウトバウンド・ロジスティクス:製品の保管、出荷、配送など
・マーケティングおよびセールス:製品を販売するための活動
・サービス:アフターサービスや顧客サポート
支援活動(Support Activities)
・調達:必要な資材やサービスを購入する活動
・技術開発:製品やプロセスの改善
・人事管理:採用、教育、評価などの人材管理
・企業インフラ:経営管理、財務、法務など企業全体を支える活動
これらの要素から自社のバリューチェーンを洗い出して強み・弱みを分析し、VRIO分析を実施した上で、経営資源を最適化させていきます。
VRIO分析とは経営資源の競争優位性を調べるための分析手法で、以下の4つの要素で構成されています。
Value(経済価値):その強みは、売上やビジネスにどのくらいの価値を与えているか
Rarity(希少性):その強みは、どのくらい独自性があるか
Imitabllity(模倣可能性):その強みは、競合他社がどのくらい模倣できるか
Organization(組織):その強みを活用できる組織体制や方針はあるか
Sansanの活用方法
これらのフレームワークを実施する上で最も重要なのは、情報収集です。Sansanの機能を活用すると、競合調査に必要な情報を効率よく収集・整理・共有することができます。
競合業界や企業の情報収集
Sansanの企業DBは、100万件の企業情報が標準搭載されたデータベースです。
企業DBで検索した企業の会社情報を活用すれば、競合調査において必要な企業のホームページ情報、有価証券報告書などの情報をスムーズに把握することができます。
業界トピックスをチェック
Sansan Labsの「5分で読める業界動向」では、業界動向の要点を効率よく把握できます。有価証券報告書から抽出・要約した業界の課題や市場環境がわかるので、業界トピックスを簡単にチェックでき、戦略検討に役立ちます。
社内共有
Sansanの機能を活用すると、収集した情報を社内のユーザーへ簡単に共有できます。
あらかじめコンタクト機能のテンプレートを作成し、競合企業に関する会話や調査の内容を蓄積する習慣をつけておけば、社内のユーザーがすぐに必要な情報にアクセスできます。
例えば、競合企業と業界団体の会合やイベントで接触した際のコンタクトに、どの製品やサービスに興味を示していたかなどの情報を蓄積しておけば、その情報を社内で共有・活用し、競合の傾向の把握に役立てることも可能です。
テンプレートの一例はこちらの資料もご参照ください。
>>コンタクトテンプレート
また、メッセージ機能を使うと、社内のユーザーへ、名刺情報やコンタクト情報をひも付けた状態での送信が可能なため、調査内容を迅速に共有することができます。
スムーズな競合調査のために
今回は、競合調査のフレームワークと調査のポイント、Sansanのお役立ち機能についてご紹介しました。
フレームワークやSansanに蓄積された情報を活用して、効率よく競合調査を実施し、マーケティング活動や営業戦略の立案につなげましょう。
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