会社の文化を変えて
発展に導きたい。
日工株式会社は、アスファルトやコンクリートなどのプラントを提供し、企画から製造・施工、メンテナンスまでトータルなサポートを行う会社です。私がいる事業企画室は、既存事業の売上実績のデータ集計や指標化、新規事業の推進などの役割を担っています。
私が事業企画室に来たのは5年前ですが、当時から顧客情報の一元管理は進めなければならない課題だと感じていました。営業担当者は1人につき50社ほど担当していますが、ある人はExcelで、ある人は紙で、といった形でバラバラに管理しており、情報がアップデートされているかどうかも分からないため、メールひとつ発信するにも担当者に聞かなければならない状況でした。そういった属人的な状況でしたので、転勤や担当替えがある度に挨拶回りをして確認する必要があり、引き継ぎにコストがかかっていました。
また、3~4年に1度の自社イベントである”日工メッセ“をはじめ、展示会の出展も年に複数回行っておりますが、展示会で平均700枚程度、日工メッセに至っては1,300枚以上の名刺を頂戴するため、この名刺のデータ化にかかる人件費だけでも毎回数十万円かかっていました。しかも、データ化できたからと言って各営業担当者が管理しているリストが自動的にアップデートされるわけではありませんから、社内に新しい名刺があるのに各々のリストは古いまま、という状態に。年賀状やお中元リストの作成時には、それこそ1週間~10日間ほどかけて、各担当者が去年のリストを更新していました。
こういった状況を打開するためにたどり着いたのが、名刺管理サービスの導入です。
さまざまな名刺管理サービスを比較検討し、最終的にSansanの導入を上申したのですが、それに対して「投資対効果を示すように」との声が上がりました。このツールを使ったら、どんなメリットがあるのかを問われたのです。しかし私の考えはこうです。施策には投資対効果を測るべきものと、測る必要がないものがある、と。
例えば、パソコンやタブレットを導入した時、もっと遡れば携帯電話を皆が持ち始めた時、投資対効果を厳密に計測された方はいるのでしょうか?公衆電話でも仕事ができないわけではないですし、公衆電話からスマートフォンになったからといって、いくら分のコストメリットにつながったのかを出すのは非常に難しいはず。それでも、スマートフォンにすることで明らかに便利になりましたし、お客様へのサービス向上につながっていることを考えると、いわゆるITインフラは投資対効果に縛られることなく導入しても良いのではないかと思っています。そして、Sansanもその1つでした。
「新しい時代を迎えるにあたって、新しいインフラを導入することで、社員が便利になって楽に仕事ができるようになる。それが新しいビジネススタイルの始まりであり、働き方改革にも繋がるのです」と、私自身の想いを関係各所に伝え、説得にあたりました。
幸いにも弊社社長はSansanに対する評価が高く、営業部門で1年間のトライアル導入をなんとか認めてもらえました。利用開始時には私を含めた導入担当者が各拠点を行脚したのですが、CMのおかげで認知度が高く、個人的にEightを利用していた人も一定数いたため、スムーズに受け入れてもらうことができました。またSFAのように“やらされている感”がなく、“自分たちが便利になる”ので、あっという間に浸透し積極的に利用してもらえるようになったと感じました。
すると業務部門からも「早くSansanを導入して欲しい」という声が届いたのです。話を聞いてみると、出先にいる営業担当から「○○さんに見積もりを送ってくれ」といった依頼が頻繁にあるらしく、そのたびに机の引き出しから名刺を探して、アドレスを手打ちして……という面倒な作業をしていたとのこと。そういった業務部門からの後押しもあり、トライアルは予定の半分の6カ月で終了。全社プランをいち早く導入することになりました。
「今までいろいろなシステムを導入してきたけど、今回は良かったな!」と嬉しい声を各所からかけられたことを覚えています。
顧客管理の一元化だけでなく、業務の流れがスピーディーになったというのも効果として感じています。例えば展示会のお礼メールです。名刺をスキャンするとすぐにデータ化されるので、お礼メール送付までが非常に早くなりました。展示会直後は来場者の温度感も高いため、開封率やリンククリック率を上げるためになるべく早くメールすることが重要ですが、Sansan導入前後でリンククリック率を2.3%から18.9%まで伸ばすことができました。
また、差し込み機能を駆使してメール集客を行った2018年は、来場者数も前年比150%の1,150人に。毎年100人ずつ微増していたのですが、2018年はSansan効果で大幅アップにつなげることができました。
それ以外にも前述のとおりデータ化にかかっていた人件費を削減できたり、営業担当が各自リストメンテナンスする工数を削減できたりと、定量的な効果もしっかりと感じています。
もともと弊社には情報を共有するという文化があまりないので、まずはSansanを通じて自分の持っている顧客情報を外に出すことへの抵抗感を無くしていきたいと考えています。それが実現できたら、より深い商談情報を共有したり、メールのやりとりを相互参照出来るようにしたり、情報共有の範囲を広げていきたいと考えています。
これからの日工は、今の20歳代の人たちが背負っていかなくてはなりません。もちろん私たち上の世代が支援しなければならないのですが、先輩から与えられる情報をすべて口頭で受けとるのは時間がかかります。システムを活用してデータ化できるものについてはそれをうまく使ってもらいたい。そしてデータ化できないスキルについては、直接学んでもらえればいいのです。
このSansan導入を機に情報共有が進み、会社がもっと発展していくことを願っています。
山本さん自身、1990年代初頭から当時最新の技術を使って顧客管理を工夫されていたとのこと。「今振り返ってみると何十年も前から名刺のデジタル化・共有化をしたがっていたのだと改めて感じました」というコメントをインタビューの際に頂き、長年の悲願をSansanで実現されたのを間近で拝見することができとても感激でした。イノベーションを起こす一助として、今後もSansanをご活用いただければ幸いです。
カスタマーサクセス部 福澤