Sansanがもたらす
リマインド営業の新しいカタチ
私の部署では、イメージスキャナーや、OCRソフトなど文書にまつわるハードウェア、ソフトウェアを取り扱っています。全国のベンダーやSIerといったパートナーを通して、エンドユーザに拡販していただいているのですが、スキャナーを単体で販売してもらうというよりも、パートナーの製品とセット販売するなど、一緒にプロジェクトを組むことが多いですね。
当社は製品ごとに営業担当が分かれています。そのため、一つのお客様に対しても、お互いの会社で100名近く接点を持っていることもあり、名刺交換も頻繁に発生します。並行して新規の提案も行っているので、注力顧客だけでなく、過去に提案していたお客様も含めると接点数は覚えきれないほどでした。
それらを整理し、把握するための名刺管理と顧客管理は、当然パワーのかかる作業でした。名刺管理はもともとスキャナーでOCR処理してデータ化していましたが、個人に任されていたため、作業が滞りがちに。また、顧客管理に関してはExcelを用いる二重管理。決してベストな方法とは言えませんでした。
膨大な名刺情報や接点数があるため、とっさのときに対応できない歯がゆい思いも経験しました。アポイント先の受付まで行って、相手のお顔や名字は浮かぶのに正確な部署名やビジネスユニット名が出てこない。やむを得ず会社に電話して、「デスクの引き出しの中にある名刺を見てもらえませんか」と確認をお願いしたことも。また、顧客管理については各営業担当が独自に取り組んでいたため、ほとんど情報共有されていませんでした。そのため、お客様に訪問後、実は別の営業担当がすでに訪問していたことが発覚し、ムダ足になってしまったこともありました。
こうした仕事上で起こるトラブルは、一つひとつは小さなものなので表面化されにくいのですが、積み重なるとそれなりのコストになっていました。常々、回避したいとは思っていたのですが、対処法は見つからないまま。そのうちに、「誰にでもあることだから」と自分に言い聞かせて、半ば諦めていたところがありました。
そのようななか2013年頃にSansanが導入されました。自分のスマホで名刺を確認できる利便性とスピードには、まず驚かされましたね。顧客情報はもちろん、他営業担当との過去の接点の有無までわかるようになったので、もともと抱えていた課題は、すぐに解決することができました。アポイント先情報が思い出せなくても会社に電話する必要はなくなりましたし、訪問先が誰かとバッティングすることはなくなりました。トラブルを最小限にとどめられることでストレスが軽減され、営業活動により集中できるようになったことは、はじめに感じた大きな変化でした。
次に感じたことは、「過去の提案先を振り返ることの重要性」です。名刺情報を見返す機会ができたことで、以前に新規開拓してそれっきりになっていたお客様が想像以上に多かったことを痛感。注力しているお客様については、月に何度も打ち合わせで顔を合わせるなど関係性が深まります。しかし、展示会のブースで一度名刺交換しただけだったり、過去に提案したものの案件に結びつかなかったりすると、どうしても疎遠になりがちに。
抱えているお客様が多いので、他へ他へと意識が向いていました。正直なところ、Sansanを使い始めるまで、それを課題だとすら認識していませんでした。顧客情報が「見える化」されることで、再提案の機会がぐんと増えたのは間違いありません。
実際に、Sansanが取引先を掘り起こすきっかけになったこともあります。5年前、あるプロジェクトで一緒にビジネス開発を行ったものの、大きな売上に結びつかなかった案件です。当時はそれ以上の見込みがなかったので、そのままアプローチを止めてしまいました。上司に報告するほどの事案でもなかったので、当然その後、会社としてもキャッチアップされないままになっていたのです。それから数年後のある時、Sansanの人事異動ニュースで、当時の担当者が部署異動したことを知りました。部署も立場も変わられたので、ビジネスチャンスがあるかもしれないと思い、ご挨拶に伺うことに。すると、以前のプロジェクトよりもスキャナーと相性の良い製品を扱う部門へ異動していたことが判明しました。そして、新しいご担当者もご紹介いただき、再提案。結果、年間約2,000万円の売上を生み出す案件となり、現在もお取引は継続しています。
思えば、ニュースがなかったら担当者が異動していたことすらキャッチできていなかったでしょう。まさにSansanが生んだ案件だと言えます。人事異動情報だけでなく、社内の接点通知などもリマインド営業のきっかけになるはず。Sansanは掘り起こし提案の機会をくれる、最強のツールと言えるかもしれません。
2019年3月から利用範囲を全社に広げ、別製品を扱う営業担当もユーザになりました。私としては、同じ会社と接点を持つ営業とアプローチのかぶりを防ぐことや、連携によるクロスセルで利益を最大化できることを期待しています。「守り」ばかりでなく「攻め」の視点からも、Sansanを徹底活用していくつもりです。
会社としては将来的に、新たに加わった機能「Sansan Data Hub」(オンライン・オフライン問わずあらゆるデータを統合・リッチ化する機能)を用いて、営業支援システムのSalesforce®と、社内の基幹システムとを連携することが決まっています。これによってSansanをマスターデータとしてすべての情報がつながる予定です。システムごとに入力する負担を軽減でき、データを揃えることもできるので、業務がさらに効率化され、組織力の強化にもつながるのではないでしょうか。今後の発展が非常に楽しみです。
Sansanのニュースをきっかけに、取引を生み出した角田さん。「案件創出は新規顧客から」と思われがちですが、実は「過去に接点を持っている人こそが、未来のお客様になり得る」ということを気づかせてくれました。誰もが持っている「眠ってしまっている過去の繋がり」。Sansan活用で、まずは自分の中の冬眠人脈を呼び起こしてみませんか。それが、あなたの次なる取引相手になるかもしれません。
カスタマーサクセス部 安野