sansan
社名
株式会社 商船三井
事業内容
海上輸送・旅客輸送
資本金
654億円
設立
1884年
従業員規模
PROFILE
楊 亦瑋 さん
株式会社 商船三井
ドライバルク営業本部
2016年入社し、経営企画部に配属。働き方改革やコスト競争力向上をミッションに、Sansanの導入と定着に尽力されました。2019年7月、ジョブローテーションにより現在の部署へ。異動後は、ドライバルク船サービスの営業と運営を担当されています。休日はインドア派ですが、海外旅行も好き。最近はチェコスロバキア、オーストリア、ハンガリーの世界遺産を巡り、建物の美しさに感動したそうです。
活かしきれずにいた、多くの人脈
スタートは、海外拠点との人脈共有

海運はグローバルな事業である一方、お取引先が限られているという狭い業界でもあります。海外出張でお会いした新しいご担当の方が、実は弊社の別の社員と知り合いだったというケースも多く、各々が持っている人脈を有効活用したいというニーズは以前からありました。しかし現実は、出張先の駐在員や関係部署にメールで確認するなど、個人で展開していくしかない状態でした。

また、当社は人材育成の観点からジョブローテーションに積極的に取り組んでおり、早ければ3年に一度の異動があります。人脈のすべてを網羅的に引き継げないケースもあり、情報共有もスムーズに進んでいませんでした。

そのようななか、2016年から「国代表」というポジションを設けることになりました。担当国の重要顧客との接点情報を集約し、人脈の活用を促進するのが狙いです。そのためのツールとしてSansanの導入が進められました。

細かすぎる名刺取込みルールが利用定着の壁に

導入当初は、各国の人脈を日本拠点で把握したいという目的だったため、国代表を束ね、複数の地域を統括する「総代表」、そして一定の役職以上に絞って、50IDでスタートしました。

Sansanは一部利用の場合、1IDあたりの月間取り込み枚数が決まっており、それを超えると超過料金が発生します。よって運用ではその上限を超えないよう、取り込む際に「課長以上の名刺」「今後昇進するであろう方の名刺」などの条件を設けていました。ところが、「どの名刺をSansanに入れたかわからなくなった」「精査をしてスキャンするのが面倒」という声があり、取り込み数がなかなか増えなかったのです。結局、導入から半年が経過しても、Sansanの利用率は低迷していました。

その問題を受けて、取り込む名刺を選定するルールを廃止。名刺データの蓄積を最優先とし、持っているすべての名刺を登録する運用に転換しました。私たちの部署で代理スキャンも行い、上限数に合わせて「あと○枚出してください」というようにコントロールしたのです。すると、目に見えてSansanの利用率が向上。データさえ蓄積されれば、Sansanの機能はやはり便利なのだと確信しました。

真の働き方改革へ向け、全社員での利用を開始
イメージしていたワークスタイルにSansanがフィット

Sansanの利用に手応えを感じ始めたころ、当社では働き方改革の実現に向けて、さまざまな施策を検討していました。その中には、システムによる書類のペーパーレス化や、部門をまたいで新規プロジェクトをはじめられる制度づくりなどもありました。Sansanの全社導入をご提案いただいたのもちょうどそのころで、名刺情報のペーパーレス化や共有は当社の目指す働き方改革の方向性と合致していました。

全社契約の場合、Sansanのアカウント数を当初の50IDから約1,200IDまで、大幅に増やすことになります。もちろんその分、従来よりも費用もアップしますが、社内における働き方改革としての費用対効果を考えると、投資する価値は十分にあると感じ、導入に踏み切りました。

失敗経験があったからこそ見つけた勝ちパターン。
全社導入が加速

2017年9月から、Sansanの全社導入がスタートしました。当初、社員は抵抗感こそないものの無関心で、利用率は芳しくありませんでした。しかし、導入推進チームにしてみれば、名刺情報が蓄積されなければ使われないことは経験済みです。そこで、所有していた名刺を一気に取り込むため、グループ会社に名刺スキャンを委託する仕組みをつくりました。社内ということでセキュリティの問題もクリアできましたし、全社導入となると、実質取込み放題のような形となるため、コストコントロールをしなくて良くなりました。そこもフローがうまく回った要因でしたね。

日々新しく交換した名刺に関しては、各フロアに設置したスキャナーで個人が取り込む運用でした。社員に動いてもらえるように、全社員に向けたメールや、各部門に配置した働き方改革のサポート担当を通じて、Sansanのメリットをこまめに案内しました。毎月の部長会でもスキャン数や使用率をレポート。上下両方からプッシュしていきました。

このほか、館内アナウンスによるスキャンの呼びかけも実施。耳からの情報は強制的に入ってくるため、周知徹底に役立つと考えたからです。それまで館内アナウンスは、退社を促す案内ぐらいにしか使われていなかったのですが、上長に「どうしても試してみたい」と掛け合いました。この試みは多くの社員にとってかなりインパクトがあったようで、エレベーターなどで居合わせた社員たちが「放送があったから、スキャンしなくては」と話しているのも聞こえました。スキャン数もコンスタントに増えていたので、狙いどおりでしたね。

「働きやすさ」は、国境やグループを越え、求められている
Sansanが潜在ニーズを掘り起こしてくれた

Sansan上にデータが蓄積されるにつれて、利用率は上がりました。まず、スキャンしてもらうことにフォーカスしたのは、正解だったと思います。働き方改革についてのアンケート調査でも、良かったと思う施策にSansanを挙げる社員が一定数いました。

直接、現場の社員から「名刺を調べられるのが便利」と聞くこともあります。従来の“たくさんの名刺の中から探し出す”“出張のときに持ち歩く”“つてをたどって人脈を見つけ出す”といった日々のタスクの中に、潜在的なニーズとして名刺・人脈管理があったのでしょう。そのような “小さな不便”の解消が、業務時間の削減にもつながっていますし、当社にはとてもフィットしたシステムだと感じています。効果も大きく、なぜ残業時間を大幅に減らせたのかと、他社からの問合せが入るほどです。その延長で業務が効率化し、事業全体にも良い影響を与えていると思っています。

他のSaaSとの連携や、海外・グループへの横展開を目指して

今後、お客さまとの面談内容をSansanのコンタクトに残し、そのデータを他のSaaSに連携することで、全社共有と一元管理を実現したいと考えています。これまでは共有のドライブに担当者が自由な形式でレポートを残していましたが、統一フォーマットではなかったため情報の検索が難しく、十分に活用しきれていませんでした。この連携によって、より簡便に登録でき、検索しやすいシステムとして活用できるはず。特に当社はジョブローテーションが頻繁なため、引き継ぎロスを限りなくゼロに近づけられるのは、大きなメリットだと思います。

また、Sansanが便利だという現場の声は、海外拠点やグループ会社にも広まっています。私は異動してしまいましたが、これらのSansanの横展開は、後任が引き継いでくれています。現場がより働きやすく、便利だという方向へ、今後も改革は続いていくでしょう。

編集後記

トライアルから全社導入まで、粘り強くSansanの定着にご尽力くださった楊さん。7月からは別の部門で新たなミッションに向き合われていらっしゃいますが、楊さんが実施してくださった様々な施策のお陰で、働き方の変革にまで至っています。引き続き国を超えた人脈の共有・活用に際しSansanをご活用いただければ、と思います。

カスタマーサクセス部 福澤

※ページ上の各種情報は2019年8月時点のものです。
社名
株式会社 商船三井
事業内容
海上輸送・旅客輸送
資本金
654億円
設立
1884年
従業員規模
この企業と同じ
従業員規模 1000〜4999名の事例
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