Sansanを「顧客管理のツール」から
「意思決定のツール」へ。
弊社は音の信号処理に基づくソフトウェアとネットワーク関連技術の研究開発に取り組んでおり、一般ユーザの方々にも広くご利用いただくことを目標としております。
「Another Track」という、スタジアムや劇場でご活用いただく音響通信によるデバイス制御ソリューションサービスを展開し始めたのが2016年でした。明治座で、日本舞踊や和楽器などの伝統芸能にアニメーションやゲームなどのポップカルチャーを組み合わせて日本を表現する「SAKURA -JAPAN IN THE BOX-」という演目で、ご縁があり字幕表示を対応させていただくことになったのです。外国の方にも楽しんでいただくため今までなかった「スマートフォンでの字幕表示」を実現し、大変ご好評いただいて半年間で93回ほど上演しました。この技術を知っていただこうと弊社から招待したお客様の認知度も上げることができ、お会いした方の名刺が会社の資産として徐々に増えていきました。
当時は画像で名刺管理をしていましたが、検索ができない上接点情報も紐づいていない名刺をただ見ているだけだったため、商談、案件ともに管理が複雑でした。最初の接点は管理できても、履歴の中から重要な商談を見つけることに膨大な時間がかかっていたのです。私は営業の立場ではないので顧客管理に対して課題を持っていたわけではないのですが、自社のサービスが発展し名刺も増えていく一方で、この管理ができていないことで今後取引の可能性がある顧客を逃してしまうのではないか、という危機感が大きくなっていきました。
そんな時にたまたまSansanのCMを見かけ、「これだ」と直感しました。営業効率を高めるためには接点情報、案件進捗を1つのツールでの管理することが第一だったので、その仕組みがあれば課題が解決できると考えました。まだイメージ段階でしたが、過去の商談をフェーズごとに検索できるようになれば、進捗確認も楽になるはずです。とはいえ直感のまま進めて導入後にユーザが運用に困ってしまっては本末転倒なので、この件をきっかけに他のツールの調査も並行し、時間をかけて行いました。
運用成功のために懸念点は先につぶしておきたかったので、しばらくは課題に向き合うことに時間を使っていましたね。それぞれのメリットを徹底的に比較した上で不明点は確認し、自分が納得いくまで調査しました。営業社員の声も取り入れた結果、「一元管理可能」「情報共有可能」「管理コスト削減」のポイントを満たしたSansanに決め、すぐに運用フロー構築に取り掛かりました。営業社員からの指摘で運用がとまるのを避けるために、社内向け運用フロー資料もしっかり作成しましたね。このフロー構築にも時間がかかりましたが、そのおかげで導入自体はスムーズだったと思います。社員に協力を仰ぐ作業もあったのですが、きちんと活用イメージを理解してくれた協力的な社員が多かったので、実作業の苦労はそこまでなくありがたかったですね。
商談管理に関しては、以前は名刺をテキスト化し更に他のツールにも情報を登録していたので、二重登録がなくなっただけでも作業コストがかなり減りました。また、情報共有コスト削減のため名刺登録後にコンタクト機能で商談内容を登録し、コンタクトフォロー機能を使って関連部署へ共有するようルール化しました。商談内容は日々把握することができるので、各部門長で構成する部長会議では重要な内容だけを重点的に取り上げられるようになり、更に営業部から技術部への共有も非常に楽になったと喜ばれました。自社開発サービスを提案する案件は技術社員と連携して進める必要があるのですが、技術社員が案件の提案内容やお客様の希望を把握することでスムーズに進む案件も増えたようです。伝えるコスト、知るコスト両者の削減ができました。
過去の案件が埋もれる課題についてはステータスを管理することで回避できるようになり、重要案件のネクストアクションは会議中に決め共通意識を持つことで、担当営業社員の案件へ向き合う姿勢が変わりました。また、商談や案件に優先順位をつけられるようになったので会議の生産性が格段に向上しましたね。以前は商談把握に2時間以上かけていましたが、今では商談と案件内容の把握を1時間で終えた後、残りの1時間で意思決定の議論ができています。1つのデータベースに情報を集約することで、商談を案件に育てる仕組みができたのです。更に、案件の集計結果と予算管理シートの数字を紐づけているので、クオーターごとの予算管理もスムーズになりました。イメージしていた運用が形になり、「顧客管理ツール」から始まったSansanを「意思決定ツール」に変えることができたのだと実感しました。
運用が成功した理由の一つは、社員に運用全体をきちんと理解してもらえる仕組み化ができたことだと思っています。調査は苦労しましたが、時間をかけて具体的にイメージできていた分、動き出してから軌道に乗るまでが早かったですね。働き方が変わっていることを全員で実感しながら進められたことがモチベーションにつながりました。最近では顧客データを更に活用しようと、昔のお客様からのお問合せがあればすぐに過去の接点を確認しています。当時とは別案件でのお話や、接点のある企業の別部署からのお問合せがくる場合もありますが、前回の提案内容を確認できることで商談の質も上がったように思います。大切な出会いを次につなげていくために今後も顧客管理をより強化していきたいので、社内改革担当として社員への推進も今まで通り進めながら、広報としてもっと自社製品を広められるよう働きかけていきたいと思っています。
エヴィクサー株式会社様では、楢原様が1名でSansan推進を担当されているとのこと。営業ユーザ様の声から顕在化する課題に対してコツコツと、徹底的に向き合う姿勢が印象的でした。日々の疑問や課題に常にアンテナを張っておくことは非常に重要なことですね。これからも社内業務効率化や自社サービス展開のための1つのツールとして、是非Sansanをご活用いただきたいと思います。
カスタマーサクセス部 細川