sansan
社名
株式会社 東和エンジニアリング
事業内容
ICTを中核とした音響、映像、情報通信に関するソリューション提供
設立
1952年
PROFILE
野口 昌紀 さん
株式会社 東和エンジニアリング
人事・総務部 課長
オフィス空間の設計やITツールの導入などにより、働き方改革に取り組まれた野口さん。大きなコストとなっていた紙や物品などのモノを無くすこと、決まりきった場所にとらわれず自由な働き方を実現すること。これらの課題を解決し、大きな成果を出されています。休日は、わんぱくざかりの男の子2人の父親。スノーボードを親子で滑るのが、近々の目標。
部門間の距離を近くに。
オフィス移転による働き方改革が始まる
自社の「最適な空間」作りに向けて、
紙削減が急務に

当社は、映像や音響、ICTを駆使し、「最適な空間」「最適な環境」を実現するためのソリューションを提供しています。もともと私は人事がメインの担当でしたが、兼務で総務の業務に関わることになり、そのとき持ち上がっていたのが、オフィスの移転プロジェクトです。以前のオフィスは、本部系と事業部系がそれぞれ別のビルに分かれていました。距離としては歩いて5分ほどでしたが、その距離が社内コミュニケーションのネックになっていたのです。フロアも部門ごとの縦割りで、行き来しづらい環境だったと思います。

また、紙資料が膨大で、保管のためにかなりのスペースを使用していることも課題でした。保管スペースのコストを試算すると、多額の費用であることが判明。そこで、社員のコミュニケーションを活性化し、省スペースで効率のよい環境を目指すことになったのです。保管スペースのコストも、7割削減することになりました。

その施策の一つがフリーアドレス化です。個人が所有する資料のペーパレス化も急務でした。とりわけ問題だったのが名刺。段ボール箱1~2個という人もざらにいて、全社員の名刺所有枚数は17万枚にも及びました。個人情報の流出を防止すると同時に、休眠資産となっている名刺に新しい活用を見いだしたい。そんな思いが重なって、採用したのがSansanでした。

こだわったのは、
コミュニケーション向上の仕掛けづくり

フリーアドレス化を働き方改革の一環と捉えたとき、こだわったのがコミュニケーションを促進する環境づくりです。フリーアドレスは、部門間の“横”の交流を活性化し、新しい気づきを生む可能性があります。しかしその一方で、自席が固定されていたころよりコミュニケーションが希薄になるリスクもはらんでいました。

そこで、フロアの中央に「マグネットスペース」を設置しました。これは文字通り、磁石のように社員同士を“引き寄せる”スペース。複合機、交通費精算システム、製品パンフレット、おやつなどを設置し、作業や小休憩のたびに社員が自然に集まるように仕掛けたのです。Sansanのスキャナーもマグネットスペースに配置。名刺交換して帰社した社員が、必ずマグネットスペースに立ち寄り、交通費精算や名刺をスキャンする動線を設計しました。

移転のプロジェクトが立ち上がってから実際に移転するまでは、わずか半年でした。その短期間で、社員の働き方は大きく変わりました。移転後は、業務に支障があるという意見は出ておらず、おおむねよい方向に進んでいると感じています。

自由度の高い働き方を成功させるために
フロアの中央に設置された「マグネットスペース」
日報登録が、
自由と責任を両立させる

自由度の高い働き方は、個人の責任によって成り立つものです。常にチームメンバーと顔を合わせなくなった分、日々の業務については「報告・連絡・相談」を細やかにしていく方針を定めました。そのツールとして選んだのが、Sansanのコンタクト機能です。Sansanは、バックオフィスを含めた全社員に定着していて、使い勝手も好評でした。他の新しいシステムを導入するよりSansanを利用したほうが、社員も混乱することなく、経費も抑えられると考えたのです。

しかし、コンタクト記入による日報の定着はなかなか進みませんでした。どうしても“やらされ感”が強く、抵抗があったようです。今までなかったことを定着させる難しさを痛感しました。しかし、使えばきっとその便利さは理解されると考え、入力状況を社内で公開、“見える化”し、マネージャーが進捗を確認できるようにしました。そして、出勤日に対するコンタクトの登録状況を%で表示。各部のマネージャーがこの数字を会議で報告したことで情報共有ができ、部下へ声がけをして入力を促進するようになりました。

コンタクト機能の習慣化は、
工数削減にも寄与

一方、当初は抵抗のあった現場でも、コンタクトフォローメールで受け取った情報を活用する、メッセージ機能でコンタクトの情報を関係者に共有する、というような、コンタクト機能を活用する動きが生まれてきました。

また、上司とのコミュニケーションツールとしてコンタクトを使用している部署もあります。社員はわざわざ面談の場を設けなくても、気軽に報告ができるのです。コンタクトの情報が毎朝メールで届くため、上司も自動的に情報を得ることができます。両者にとって、工数削減と、コミュニケーションが向上したことは間違いありません。

このような取り組みの結果、現在ではほぼ全員が毎日コンタクトを登録できている状態になりました。営業だけでなく、総務部門や人事など、すべての部署のメンバーが活用しており、全社的な情報共有のプラットフォームになっています。

ねらい以上の効果を実感。
Sansanの活用が後押しに
※ 氏名や会社名はダミーの情報を表示しています。
「同僚コラボレーション」で、
コミュニケーションのさらなる活性化を

移転前、社内で保管されていた書類や物品を積み上げた高さを試算すると、富士山の8合目に届くほどでした。しかし、デジタル化によって現在は2合目の高さまでに減少しています。また、社員へのコミュニケーションに関するアンケートでは、「部門間のコミュニケーション」について、「取れている」という回答が、移転前は27%でしたが、移転後は72%に急増しました。ねらい以上の効果が出ていることをうれしく思います。

しかし、社内コミュニケーションについては、まだ解決すべき課題はあるでしょう。例えばフリーアドレスになったことで、今まで会う機会のなかった社員と顔を合わせる機会が増えました。一方で、顔と名前が一致しないため、お互いに声がかけづらいという問題が浮上しています。そのため、Sansanの「同僚コラボレーション」機能に全社員の顔写真を登録。社内の内線取り次ぎなどで同僚コラボレーションを活用することで相手の顔が確認できるので、全社的なコミュニケーションの活性化と業務効率化につながるのではと期待しています。今後、「同僚コラボレーション」のプロフィール欄も充実させて、さらに社員同士、興味を持ち合えるような関係づくりを進めていきたいですね。

さらなる働き方改革に向けて、
チャレンジは終わらない

今回の移転に伴う働き方改革によって、場所にこだわらずに働ける環境へと一歩前進しました。今後、日本は少子高齢化社会が進むなか、育児・介護と仕事を両立するため、在宅でのリモートワークを充実させていく必要もあるでしょう。従来型の働き方では、おそらく行き詰まっていくはずです。Sansanのデジタル名刺はそのための一手にもなると期待しています。

当社は間もなく設立70周年を迎えます。でも、100年企業に向けてあと30年走り切るには、「デジタル名刺」をはじめとしたSansanのさらなる活用も含め、まだまだ働き方改革を推進しなければ淘汰されてしまうという危機感があります。今後もお客様からの声、社員の声からニーズを掘り起こし、新しいチャレンジを続けるつもりです。

編集後記

今回のプロジェクトは自分自身の仕事観や人生観を変えるほどの貴重な経験だったと仰る野口さん。無事成功を収められたのは社内外の様々な方との出会いがあったからこそであり、そんな方々に応えたいという気持ちがモチベーションだったそうです。取材の最中も笑顔を絶やさず、感謝の言葉を伝える野口さんの人間的魅力に、「出会いからイノベーションを生み出す」ということの本質を感じました。

カスタマーサクセス部  太田

※ページ上の各種情報は2020年6月時点のものです。
社名
株式会社 東和エンジニアリング
事業内容
ICTを中核とした音響、映像、情報通信に関するソリューション提供
設立
1952年
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