当社をひと言で表現すると、コンタクトセンターを中心としたBPOアウトソーサーです。40年にわたり、コールセンター業界のリーディングカンパニーとして培ってきたノウハウを活かし、さまざまなサービス・ソリューションを提供しています。なお、取引先には情報サービス、メーカー、通信・放送、小売・物流、金融、公共機関など、幅広いお客様がいらっしゃいます。
我々がSansanを広く活用しはじめたのは2021年から。背景にあったのは本社移転です。というのも、移転の目的のひとつは在宅勤務とオフィス勤務とのハイブリッドな働き方を前提とした、オフィスの省スペース化とゾーニングでした。それに伴い、業務書類のペーパーレス化が求められたのです。そこで名刺のペーパーレス化を実現すべく、Sansanを社内で広く活用することになりました。苦労も多かったのですが、結果から言うとペーパーレス化はもちろん、社内に存在する名刺をデータ化し情報を一定可視化することができました。
名刺情報が可視化されたことで、当社におけるSansan活用の目的はペーパーレスの実現から一歩先に進み、「オンライン営業 READYな体制」の実現という方向にシフト。Sansanの活用推進も本格的にスタートしました。ちなみに「オンライン営業 READYな体制」とは、文字通り従来の対面営業だけでなく、オンラインでの営業活動にも対応し得る体制を意味します。
オンラインでの営業活動が普及する昨今、従来の手法だけでは限界があります。我々も当時、人脈蓄積といった点に課題感を持っていました。例えば対面営業なら名刺交換の機会があるため、商談時にほぼ確実に顧客情報を取得することができますが、オンライン商談時にはその機会がありません。こうした課題に対応し得るのが「オンライン営業 READYな体制」なのです。
Sansan活用は、その実現のための手段のひとつでした。人脈蓄積の観点でいえば、Sansanのデジタル名刺などの機能を使えば、オンライン商談時でも顧客情報をデータとして蓄積・共有できます。こうした機能を駆使すれば、オンラインに対応した営業体制の実現に近付けると考え、本格的な活用推進に踏み切りました。
その後さまざまな取り組みや苦労が功を奏し、営業部門ユーザーのSansanアクティブ率は大幅に向上しました。一時期は約90%にまで達したほどです。現在も、営業メンバーが日常的にSansanを活用しています。Sansanが人脈蓄積・共有の核になり、間違いなく営業活動の効率化、DX化が進んでいるという印象ですね。
とはいえ、現在に至るまでには多くの苦労がありました。たとえば、まだSansanが社内に浸透していない段階では、ユーザーの意見を得ようにもヒアリングする相手がいない状態。これはまずいと思いSansan社が運営するセミナーに頻繁に参加し、必死に情報収集を行いました。
また、ユーザー投票を実施してテーマを決め、更なる利用推進に向けて万全の体制で挑んだ説明会は参加者が非常に少なく、ゼロという回もあったほどです。そこで我々は、説明会の開催時間にフォーカスし改善を行いました。当時の説明会は60分と、業務に追われている社員が気軽に参加するのは難しい長さでした。大半が後からの録画視聴を選択し、結果当日の参加数が伸びなかったのです。そこで説明会の時間を30分に短縮してみたのですが、参加者はなかなか増えませんでした。このときは一体どうしたものかと頭を抱えましたね。
しかし、いつまでも悩んでいても仕方がありません。そこで我々は、原点に立ち戻ることにしました。説明会をライブ開催する意義をいま一度考え直しました。そして企画に至ったのが「デジタル名刺交換祭り」です。この企画では、それ以前の説明会のような知識の提供ではなく企画側とのデジタル名刺交換を通じ、Sansan活用を「体験」してもらうことを重視しました。さらに参加しやすさをさらに高めるために、1コマの時間を10分に設定し、これを1日12コマ、3日間にわたって開催。合計の枠数は36コマになりました。加えて気軽さをアピールするため、告知も夏祭りのフライヤー風にするなどさまざまな工夫も施しました。
すると、今までの参加率が噓のように多くの社員が参加してくれたのです。さらには副社長も訪れるなど社内で反響がありました。参加者アンケートで調査した満足度も、回答者の76%が全体的に満足という非常に良い結果を残すことができました。
説明会に限らずユーザーの声を参考に施策のPDCAを回していくことは、活用推進を行う上で非常に重要です。こうした考えのもと、我々はユーザーからの要望を常日頃からキャッチアップするような取り込みも行っています。そのひとつが、活用事例共有のために、社員のうちSansanを積極的に活用しているユーザーに、その方法やニーズのヒアリングを行う、HEROインタビューです。
実際、このインタビューをきっかけにSansanの運用方法を改善した例もあります。たとえば、HEROインタビューを通じて「役員陣の保有している名刺情報も社内で公開してほしい」というニーズがあることがわかりました。当然、役員陣はキーパーソンの名刺を数多く保有しています。しかし一方で、役員の名刺情報は秘匿情報も多いため、基本的に非公開にしていたのです。そこで我々は役員に個別に説明を実施。公開ができないか役員陣にかけあったところ、一部の役員からは理解を得られ名刺公開が実現できました。
そのほか、HEROインタビューでは他のビジネスツールとの連携の要望も強いことがわかりました。そこで、SFAと2022年より連携を開始。また、ビデオ会議システムやメーラーについてはシステム管理部門に動いてもらう必要があったため、他のユーザーにもヒアリングを実施。ニーズの高さを証明する調査結果をもとに説得を行い、連携を実現しました。
また「オンラインREADYな営業体制」の実現に向け、デジタル名刺の活用を促進すべくスマート名刺メーカーも導入しました。
同サービスを活用すれば、本人が簡単にデジタル名刺の修正を反映し申請することができるため、名刺を常に最新の状態に保つことができ、非常に助かっています。
また、現在当社では新入社員に対しSansanのライセンスを付与するのと併せて、スマート名刺メーカーでデジタル名刺を支給しています。これにより今まで名刺がなかったメンバーも、オンライン上ではありますが名刺を持つことができるようになりました。
こうした利便性のおかげで、当社におけるデジタル名刺の活用は前進したと感じています。導入してから間もないということもありまだ定量的な成果は見えていませんが、引き続き「オンラインREADYな営業体制」の実現のために大いに活用していきたいです。
ターゲットが100人いて、100人全員が満足する企画を作るのはとても難しいことです。それでも推進者は、100人全員の満足を目指す気持ちで向き合い続ける必要があります。ヒアリングを重ねてニーズをつかみ、めげずにPDCAを回し続け、確実に良いものにしていく。その姿勢を企画側は忘れてはいけないと思いますね。
一方で、単純ではあるもの情報発信を止めないことも大切です。たとえば、デジタル名刺未登録者に対しては毎週のようにメールで登録を案内しました。もちろん、その際には工夫も必要です。ユーザーである社員や会社にとってのメリットを「あえて」わかりやすく伝えると効果的ですね。また、SansanにまつわるTipsなどを紹介する際には、キャッチーなイメージで目を引くようにするなど、細かな表現への気遣いも大事です。
いまや当社にとってSansanは営業のマストツールになっています。以前であれば、社内での口コミでしか明らかにならなかった人脈もSansanにより可視化、共有されるようになりました。その可視化された人脈から、営業がアプローチするというケースも増えました。
今後のSansan活用については「オンラインREADYな営業体制」の実現に引き続き注力しつつ、次フェーズも見据えていきたいです。具体的にはSansanをデータベースとして捉え、ビジネスツールとの連携をさらに進めて、DXを加速していこうと考えています。今はメンバーがSansanまで自ら情報を取りに行っていますが、将来的にはSansanと連携したSFAからビジネスチャットツールを通じて自動的に情報が送られ、営業担当が活用できる世界をイメージしています。
引き続き、社員がSansanをより使いこなせるような施策の企画と草の根活動を行い、推進を加速したいと考えています。
「本社移転に伴うペーパーレス化の実現」から始まった、ベルシステム24様におけるSansanの拡大導入——。
推進を担う稲角様と満岡様は、当初の導入目的を達成した後も社会や企業を取り巻く環境の変化に応じて、自社課題に即した利用目的の再設定と、施策の企画、運営、改善に尽力されてきました。Sansanについて誰よりも理解しようと、弊社のウェビナーへ全参加する積極性、現場の声に常に耳を傾ける姿勢など、その推進者としてのスタンスには幾度となく感銘を受けました。今後も同社の取り組みから目が離せません!
カスタマーサクセス部 中