小西さん:AGESTは、ソフトウェアテスト、サイバーセキュリティ、SIの3事業を柱にビジネスを展開しています。中でもソフトウェアテスト事業では、テスト工程のアウトソーシングはもちろん、テストの自動化支援、アジャイル開発向けテスト支援、脆弱性診断など、専門性の高い領域も幅広くサポートしています。シフトレフトと呼ばれる上流品質の改善に向けた支援も手掛けており、上流工程の時点で品質を高めることで手戻りを防止し、開発全体の効率化を目指せる点が強みです。
そんな当社がSansanを導入したのは、インサイドセールス部門の立ち上げが発端です。これは、中途入社した私の最初のミッションでしたが、当時社内の人脈や顧客の接点は、全くと言っていいほど可視化されていませんでした。そのような中、社内で営業担当とコミュニケーションを取っていると、名刺の束がダンボールやキャビネットに放置されたままになっていることが分かってきました。営業活動で得た人脈や接点の情報が、資産化できていなかったのです。
篠崎さん:私の所属するフィールドセールスでも、Sansan導入前は名刺情報が共有できていないことが課題になっていました。展示会で名刺交換したお客様と実は別の営業担当がすでに接点を持っているのに、情報共有できなかったということも。名刺情報が属人的に管理されており営業活動が非効率でした。
小西さん:こうした背景から、名刺情報を会社の資産として管理していこうという意識が社内で強まっていきました。そこで、まず私は社内に眠る名刺をインサイドセールスに提供してほしいと申し出、すべて回収。自力でデータベース化を試みました。しかしその数は約1.5万枚。1枚ずつ手打ちで入力していくのは無謀という判断から、名刺管理ツールの必要性を感じ、Sansanにたどり着きました。その後、同時期に導入を控えていたMAツールとの相性が良かった点も決め手となり、2022年4月にSansanの利用を開始したのです。
小西さん:導入後の成果については、まず商談獲得数が3倍以上に増加したことが挙げられます。導入前は月間30件程度だった商談獲得数が、導入後の翌々月以降、安定して月間100件以上になりました。こうした量の増加は、名刺情報をSansanでデータ化したことにより、名刺情報をはじめとした、SDRがアプローチできるハウスリスト数が増加したことも要因の1つです。加えて、Sansanに搭載されている企業情報の活用により、BDRがアプローチするホワイトリストが増加した点も挙げられます。
また、有効商談率も向上しています。具体的には、SDRおよびBDRの有効商談率が導入前と比べて約8.6%伸長しました。この「有効商談率」とは、1回目のアポ取得から2回目以降、具体的な提案アポにつながった商談の割合を指しています。BDRについては、インサイドセールス立ち上げ当初から課題が多かったのですが、Sansanの企業検索機能について紹介を受け、これが改善のきっかけになりました。「従業員数」「部署」「役職」3つの項目で検索できるのですが、ここで得た情報によって、部門宛て、バイネーム宛て、勤務先へのレター送付など、1つのリードに対して複数の下準備を行うことができるようになりました。これによって、以前は1%だった商談獲得率が、今は5%にまで高まっています。BDRとしては、驚異的な成果だと感じています。
篠崎さん:フィールドセールスとしても、質の高い商談と情報をインサイドセールスから連携してもらえるのは、非常にありがたく思っています。
重要な人脈が途切れなくなった点も、導入成果として実感しているポイントです。これまでは、せっかく構築した人脈も、相手が退職したらそれっきり、というのが常でした。しかしSansanは、異動だけでなく転職情報も通知されるので、その事実を検知でき、コミュニケーションのきっかけにもできます。これは画期的だなと感じました。
私が担当していたお客様で、まさにそうした事例が過去にありました。転職の事実をいち早く検知してコミュニケーションを取ることで、その方の転職先での受注につなげることができたのです。Sansanを活用して、こうしたサイクルを今後もどんどん生み出していきたいですね。
小西さん:Sansanの導入推進については、「便利だから、楽しく使おう」というスタンスで説明会などを開催しました。会社が決めたから使うのではなく、「こんなに便利だから」と勧める。そのために、自分自身が機能を使い倒し、自分ごととしてSansanを活用し、そのメリットを伝えていきました。
営業会議でも、Sansanを楽しく活用している篠崎などの例を意識的に紹介しました。うまく活用できているユーザーの使い方を社内で紹介することで、徐々に浸透していきましたね。
小西さん:Sansanのおかげもあって、名刺情報をはじめとしたハウスリストへのアプローチは、ある程度形になってきました。今後は、それ以外のホワイトリストへのアプローチをさらに効率化していきたいと思っています。Sansanを用いて、当社にある名刺情報とまだ我々が接点を持てていない企業の情報を掛け合わせ、営業活動につなげていければと期待しています。
篠崎さん:フィールドセールス側も同感です。今後の希望としては、現状Sansanには100万件以上の企業情報が搭載されていますが、さらに情報が拡充されていくと非常にありがたいですね。名刺管理を超えた「営業DXサービス」としてのSansanの進化に今後も大いに期待しています。
企業と人物、その接点が見えるのが唯一無二の価値だと実感いただき、名刺管理のみならず、営業強化のためのデータベースとしてSansanを活用されているAGEST様。
導入から成果を生み出すまでのスピード感が圧巻でしたし、「楽しくデータを活用する」という小西さんの姿勢は、多くのSansan推進担当の方にとってヒントになるのではないでしょうか。さらなる成果を追い求める同社から、今後も目が離せません。
カスタマーサクセス部 松本